スノーボードのプロファイル説明:キャンバーとは

反発力が引け「俺はハイブリッドロッカーで行くよ。軽いパウダーでも遊びやすいし、ツインティップだからスイッチでカービングも簡単。しかもキャンバーがしっかり入ってるから、キッカーで踏み込むときの反発も抜群なんだ。」



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え...?なんのこと?


心配しないでください。スノーボードのプロファイルの違いを説明しろと言われても、最初は誰だって「???」状態になります。
「そもそも何が違うの?」「どう滑りに影響するの?」「選ぶときに本当に重要?」はじめに、初心者が最初にぶつかる疑問です。

でも大丈夫です。この記事では、そのモヤモヤを一気に解消していきます。
さあ、まずは基本中の基本「キャンバー」とは何か、そこから一緒に見ていきましょう。


時間がないのであれば

見たいところだけにスキップできます。


スノーボードキャンバーとは?

横からスノーボードを見たときの形のことです。
一見すると真っ平らに見えることもありますが、実際には少しアーチしていたり、逆に反っていたりします。

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ここで言っているのは、ノーズ(先端)やテール(後端)の反りではなく、ボードの真ん中のベース部分です。

ぱっと見ではわかりづらいですが、もし板の上にビー玉を置いたら…動き方ですぐに気づくはずです。



覚えておきたい用語


キャンバー: 板の中央部分がアーチ状に浮いている形

ロッカー: キャンバーの逆で、中央が下に反っている形

サイドカット: ボードの両サイドのカーブ(くびれ)。ターン性能に影響

フレックス(硬さ): 板のしなり具合。柔らかいほど扱いやすく、硬いほど安定性が高い

ウエスト幅: ボードの一番細い部分の幅。ブーツサイズやターンのしやすさに関係


スノーボードキャンバーの種類


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トラディッショナルキャンバー

いわゆる、むかーーーーーーーしながらの基本形。ノーズからテールまで緩やかな弧を描く形状で、微妙なベルカーブのような反り方をしています。

おすすめ用途: カービング


長所

高い反発力(オーリーやジャンプがしやすい)

エッジグリップに優れる

高速滑走でも安定感がある


短所

– 初心者は逆エッジを取りやすい

– プレスやバターが難しい

– 重さがあり、パウダーでの浮力が弱い


フロントロッカー付きキャンバー

ノーズ側にロッカーを備えた形状。パウダーでもノーズが沈みにくく、操作性が高まります。


おすすめ用途: フリーライディング


長所

パウダーでの操作性が高い

圧雪バーンでもしっかりエッジが効く

ツリーランなど狭い場所でも小回りが効く


短所

– ポップ(反発力)は弱め

– プレスやバターがやりにくい

– 初心者には扱いが難しい


フロントとテールロッカー付きキャンバー


ノーズとテールの両方がロッカー形状になっているタイプ。ターン導入がしやすく、パウダーでの浮力もアップ。遊び心あるライディングを楽しみたい人に最適です。


おすすめ用途: フリーライディング, パウダー


長所

ターンがしやすい

エッジコントロール性能が高い

パウダーでの浮力が良い


短所

– オールマウンテン向けで万能型だが、特化性能は低め

 


コンテニュアスロッカー/リバースキャンバー

呼び方はいろいろあります。ロッカー、リバースキャンバー、アンチキャンバー、バナナ、コンティニュアスロッカー…。ブランドごとに独自の名前を付けて差別化していますが、基本的にはすべて同じ形状を指します。お店で探すときは「リバースキャンバー」や「ロッカー」と覚えておくのが便利です。

形としては、トラディショナルキャンバーが

「笑顔のカーブ」なら、リバースキャンバーは「への字のカーブ」板全体が逆反りしているため、雪面との接地が中間部分に集中し、操作感が大きく変わります。


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なぜかって?リバースキャンバーはまさに「トラディショナルキャンバーの逆」だからです。
トラディショナルキャンバーが山のようにゆるやかに盛り上がっているのに対し、リバースキャンバーは下向きに反っています。イメージとしては、細い板の上に体格のいい人が腰を下ろしたときに真ん中が沈み込むような形です。


おすすめ用途: バター, プレッシング, カービング

長所

ターンの入り方が自然なので初心者でも扱いやすい

エッジを取られにくい

バターやプレスにピッタリ

パウダーの上でよく浮く


短所

– ルーズな乗り心地のため初心者には扱いにくい

– 反発力が低い

– エッジグリップが弱い

– 大きなエアの着地が難しい


フラットキャンバー


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全ては名前の通り、フラットキャンバーは平なので、どこにもキャンバーがありません。

おすすめ用途: パウダー

長所

安定した乗り心地

操作性が良い

リバースキャンバーやトラディショナルキャンバーよりも攻撃的でない

大きなエアの着地やジブに適している

エッジからエッジへの切り替えが早く、ツリーランにも向いている

短所

– 常に雪面に接しているためスピードが出にくい

– 初心者はエッジを引っかけやすい

– 初心者にはターンが難しい

– オールラウンダーである分、特定のスタイルに特化していない


ハイブリッドモデル


ハイブリッドプロファイルをイメージするなら、まるで ラーメンのトッピング のようなもの。
麺とスープがある以上、それはラーメンに変わらない。
でも、チャーシューをのせるか、味玉を入れるか、ネギを山盛りにするか、コーンを入れるか...

――その組み合わせ次第で、まったく違う一杯になる。



よく使われるハイブリッドプロファイルの例

ロッカー/キャンバー/ロッカー(ハイブリッドキャンバー)

キャンバー/ロッカー/キャンバー(ハイブリッドロッカー)

ロッカー/フラット/ロッカー(フラットからロッカー)


ハイブリッドタイプの種類

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ハイブリッドキャンバー (ロッカー/キャンバー/ロッカー)

「ハイブリッド」と聞くと特別感がありますが、実はハイブリッドキャンバーの板は非常に一般的。ターンのしやすさ、パウダーでの浮力、そしてエッジコントロールの向上に優れています。


おすすめ用途: オールマウンテン

長所

安定性、反発力(ポップ)、スピードが増す

エッジコントロールが強化される

ターンの導入がスムーズで、パウダーでも安定

フリーライディングに最適

 

短所

– 多くがディレクショナル(方向性あり)のためスイッチで乗りにくい

– 初心者には不向き


ハイブリッドロッカー (キャンバー/ロッカー/キャンバー)


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覚え方は「悪役のひげ」。アニメ映画に出てくるボスキャラのような、くねくねとした形(通称“Wキャンバー”)。常にフラットに見えることはほとんどなく、反発力を強化しつつルーズな乗り味とパウダーでの浮力を兼ね備えています。


おすすめ用途: フリースタイル

長所

+ パウダーでの浮力が高い

+ 反発力(ポップ)が強い

パークやバター系トリックに最適

+ エッジからエッジが早い


短所

– 少しルーズな乗り心地の感覚が初心者には難しい

– 特定のスタイル向けに洗練されたモデルが多く、オールマウンテンのオールラウンダーにはなりにくい


ディレクショナルキャンバー

「スイッチで滑る以外、ほぼすべてのスタイルに対応する」万能型を探しているなら、ディレクショナルキャンバーがピッタリ。

おすすめ用途: フリーライドとオールマウンテン

長所

+ パウダーの上でよく浮く

+ 簡単に反発力がある

エッジをよく保持してくれる

 

短所

– 初心者には向いてない

– スイッチで乗ることが難しい


スノーボードの形の種類

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ツイン ティップ

世界中で人気のあるスノーボード形状のひとつ。ツインチップは、先端とテールが完全に対称になっているのが特徴です。 

おすすめ用途: オールマウンテン, 初心者, スイッチライド


ディレクショナル

パウダーボードに乗る場合、ほとんどがディレクショナルボードです。硬めのテールと幅広く柔らかいノーズを備え、深雪でも浮力を維持しやすくなっています。パウダー好きには最適の選択です。

おすすめ用途: パウダー


ディレクショナルツイン

一見矛盾している名前ですが、ツインの対称形状とディレクショナルの特性を組み合わせたボードです。対称形状でありながら、コアは方向性を持たせており(テールよりも柔らかいノーズ)、オールマウンテンからフリースタイルまで対応可能です。

おすすめ用途: オールマウンテン, フリースタイル


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ボリュームシフテッド

「この形状のメリットは?」と思ったことがあるなら、ほとんどの場合ボリュームシフテッドです。短く幅広いプロファイルが特徴で、ボードの後ろに体重を乗せることで、パウダーでの浮力を維持できます。

おすすめ用途: パウダー, バックカントリー


アシンメトリカル

人間の体は完全に左右対称ではありません。では、なぜボードは対称でなければならないのでしょうか?アシンメトリカルボードは、ヒールサイドが短く、トゥサイドが長いサイドカットになっており、ターンや操作がしやすくなっています。

おすすめ用途: オールマウンテン