スキー板のプロファイル(形状)徹底解説!キャンバーとは?

多くの人が「スキーなんて全部同じでしょ」とか「スキーのプロファイルなんて関係ない」って考え方してますけど……そういう人たちに限って、新しい板が「前のに比べて全然うまく滑れない!」って文句言ってるんですよね。

うん、それは当然なんです。スキーやスノーボードを買う時は、自分が何を買っているのか、ちゃんと知っておくべきなんです。だから、もしお店でモデルを見ていて、ロッカーとかリバースキャンバー、エフェクティブエッジなんて言葉が飛び交って、それが何を意味するのか分からなくても、高額な投資に飛びつく前に、まずはしっかり勉強してくださいね。


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というわけで、ご説明しましょう。スキーのプロファイルに関して、一体何が違うんでしょうか?異なる形状は、あなたの滑りにどう影響するんでしょう?そもそも、そんなことって重要なんですか?これらは全て、初めて板を選ぶ人が買う前に疑問に思うことばかりですよね。

そして、皆さんが求めている、その「答え」を私たちは全て持っていますよ!
でも、まずは何よりも先に、キャンバーとは何か、そこから始めましょう。


読む時間がない? 

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キャンバーとは?


キャンバーとはつまり、スキー板を横から見たときの形状のことです。
キャンバーは時にわかりにくい場合もありますが、逆に一目でわかることもあります。
いずれにせよ、よく観察してみるとスキー板は完全に平らではないということが分かります。


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もちろんここで言っているのは、スキーのノーズやテール(先端や後端が反り上がっている部分)のことではありません。
実際に注目しているのは スキーのベース(滑走面全体の形状) です。
前にも言ったように、一見すると平らで対称に見えるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
もしベースの上にビー玉を置いてみれば、その違いが確実にわかると思います。


なるほど! – 他に知っておくべきスキー用語は?


キャンバー: スキーの真ん中部分にあるアーチのこと

ロッカー: キャンバーの逆で、板の先端や後端が持ち上がっている形状

サイドカット: スキーのサイド(側面)がカーブしている形状のこと

スティフネス: スキー全体の硬さ・しなやかさ

ウェスト幅: スキーの「真ん中部分の幅」



キャンバーの種類


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トラディッショナルキャンバー


スキー板のプロファイル(形状)は、この50年間で大ーーーーーーーーーーーーーーきく進化してきました。しかし昔は、新しい板といえばほとんどが同じスタンダードな形状をしていたのです。

そこで登場するのが「トラディショナルキャンバー(従来型キャンバー)」。
これは、ノーズからテールまで板全体に緩やかなアーチ(ベルカーブのような反り)が続いている構造です。 


おすすめの用途: カービング


長所

トラディッショナルキャンバーはオーリーやジャンプに強く、平地から飛び出すような「ポップ感」が得られる。

+ エッジのグリップ力が強く、速いスピードを出す時も安定性を保つことができる。

ノーズとテールの反りが強いため、雪が引っかかりにくい


短所

– 初心者はエッジが引っかかりやすい

– バターやプレスといったトリックがやりにくい

– 他のに比べて重く、パウダースノーでは浮きにくい

– 雪面との接地が少ないため、操作性は高いが安定感はやや落ちてしまう



フロントロッカー付きキャンバー


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パウダースノーをまるで何もなかったかのように...まさに、パウダーを切って切って滑りたいのであれば、フロントロッカー付きキャンバーがおすすめです。

おすすめ用途: フリーライディング


長所

パウダーでの操作性が高い

圧雪バーンでのエッジグリップが向上

ツリーランでもスイスイ滑れる


短所

板の反発力が他のに比べると低い 

– バターやプレスなどのトリックがやりにくい

– 初心者には操作が難しい


キャンバーにフロントとテールロッカー


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より良いエッジのコントロール、パウダースノーでの浮力、そしてターンからのスムーズさ。フロントとテールの両方にロッカーがついているスキーは、遊び心のある滑りを求めているスキーヤーにピッタリ。


おすすめ用途: フリーライディング, パウダースノー


長所

ターンするのが簡単 

エッジのコントロールが優れている

パウダーでの浮力が高い


短所

– オールマウンテン向けで万能でおすすめだが、特定のスタイルに特化したものには弱い


 


ロッカーの持続性 /リバースキャンバー


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好きなように呼んでください。ロッカー、リバースキャンバー、アンティーキャンバー、バナナ、持続可能ロッカー、どの呼び方をしますか?

リバースキャンバーができたとき、みんな呼び方はそれぞれでとってもユニーク。(普通の呼び方はモデルやブランドによって、呼び方を変えてたりしていたそう)最終的には、ロッカーかリバースキャンバーという呼び方が地元のスキーやスノーボードのお店には、親しまれたとのこと。

ただ、スキーのプロファイルなどを考えて一番呼びやすい、覚えやすいのをあげるのであればリバースキャンバーが馴染みが深いと思います。


なぜって?

それは、リバースキャンバーは文字通りトラディッショナルキャンバーの逆バージョン。

トラディッショナルキャンバーは、緩やかに上に反っていますが、リバースキャンバーは下方向に沈んでいるのです。

イメージとしては、大柄の人が細い板の上に座った時のようなイメージ

もう少し簡単にいうと、トラディッショナルキャンバーは「笑顔のカーブ」

リバースキャンバーは、「への字のカーブ」というのが、分かりやすいかもしれません。



おすすめ用途: バターリング,プレス,カービング


長所

ターンする時に自然に入りやすいため、初心者でも扱いやすい

エッジをひっかけにくい

+ バターリングやプレスに最適 

パウダーの上でよく浮く


弱点

– ルーズな乗り味のため、初心者には逆にコントロールが難しい場合がある

– 板の反発力が弱い

– エッジのグリップがやや低い

– 大きなエアを決めるのが難しい


フラットキャンバー


その名の通り、フラットキャンバーはフラット(平坦)になっているため、どこにもキャンバーがない


おすすめ用途: パウダー


長所

安定性が高い乗り方ができる

操作性に優れている

リバースキャンバーやトラディッショナルキャンバーよりは攻撃的でない

ビックエアの着地やジブアイテムに適している

エッジからエッジへの切り替えが速く、ツリーランにも強い


弱点

– 常に雪に面しているため、スピードが出にくい

– 初心者はエッジをひっかけやすい

– 初心者にはターンが難しいことがある

– 万能型ではあるものの、特定の滑りに特化したスタイルだと性能が弱く感じる



ハイブリッドモデル


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ハイブリッドプロファイルをイメージするなら、まるで ラーメンのトッピング のようなもの。
麺とスープがある以上、それはラーメンに変わらない。
でも、チャーシューをのせるか、味玉を入れるか、ネギを山盛りにするか、コーンを入れるか...

――その組み合わせ次第で、まったく違う一杯になる。


イメージができましたか?

代表的なハイブリッドプロファイルには

ロッカー/キャンバー/ロッカー(ハイブリッドキャンバー)

キャンバー/ロッカー/キャンバー(ハイブリッドロッカー)

ロッカー/フラット/ロッカー(フラットトゥロッカー) などが挙げられます。



ハイブリットプロファイルの種類


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ハイブリッドキャンバー(ロッカー/キャンバー/ロッカー)

実はとても一般的な形状で、ターンのしやすさ、パウダーでの浮力、そしてエッジコントロールの向上に優れています。

おすすめ用途: 全ての山


長所

反発力とスピードに加えて安定性がある

エッジのコントロール性能が高い

ターンの入りがよく、パウダーではフラットな乗り味

フリーライディングにおすすめ

 

短所

– 多くはディレクショナル(前方向専用)で、スイッチ(逆向き)ライディングが難しい

– 初心者には不向き


ハイブリッドロッカー (キャンバー/ロッカー/キャンバー)

ハイブリッドロッカーを覚えるコツとは?
それは、まるで 歌舞伎役者や時代劇の悪役がしている、クルッとねじれた口ひげ のような形。
この形は「Wキャンバー」とも呼ばれ、ほとんど平らになることはありません。


おすすめ用途: フリースタイル


長所

+ パウダーの上でも浮きやすい

+ 反発力が高まる

パークやバターリングにとてもいい

+ エッジからエッジが早い


弱点

– 少しルーズな乗り味のため、初心者には操作が難しい

– 特定の用途に特化したモデルが多く、オールマウンテン用の万能板としては使いにくい


フラットロッカー


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この記事をここまで読んでいれば、いろいろな「バズワード」とその意味がなんとなく分かってきたかもしれません。もしまだピンときていなければ――フラットロッカーとは、中央部分がフラットで、ノーズとテールの反りがより強調された形状のことです。


おすすめ用途: フリーライドとバックカントリー


長所

+ パウダーの上でよく浮く

+ 簡単にターンができる

スキーをするのが簡単にそして心地よく滑れる

 

弱点

– スキーのノーズ部分が振動しやすい

– 圧雪バーンや固い雪面では直進性が弱い

効率的なエッジは短くなる


用語の知識はバッチリですか?
それなら、気になっていた新しいセットを手に入れる準備は整いましたね。購入前にぜひ、リズムの 「試乗してから購入」プラン’ を活用してみませんか? 実際に滑って試せば、納得の一本に必ず出会えます!