1KM毎の日本旅:バイクパッキングとは

日本には、変わったものがたくさん!!と、海外から来た方たちは口を揃えていいます。
空港から電車に乗って街に出て、周囲の風景を眺めながら「ここに住めるかもしれない」と思ってしまう、そんな体験をした海外から来た人たちは少なくありません。

実際、周りの海外の日本に来たことのある友人や家族から「日本に移住しようかと考えているんだ」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
その方達が帰国する際には、大量のお土産(お菓子やスナックなど)を抱えて「やっぱり日本に住みたい!」と笑顔で話す姿もよく見られます。


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もっとも、多くの人が「日本に住んでみたい」と憧れを抱くだけで終わる中で、実際に行動に移す人もいます。リズム・ヒラフのバイクテクニシャン、Georgia Styles もその一人です。

彼女はヨーロッパ大陸を自転車で旅した経験を持つ、認定バイクパッカー。そんな彼女が「ぜひ走ってみたい」と思い描いてきた地のひとつが、まさに日本でした。


ただ、Georgiaのイケている物語をお話しする前に、少し自転車の専門用語をお話ししていければと思います。


バイクパッキングとは?


とっても細いロードバイクでたっくさんの荷物を乗せて、自転車を漕いでいる人を見たことはありませんか?


そうです、それがバイクパッキングです!


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簡単に言うと、バイクパッキングとは「自転車版ロードトリップ」や「自転車版バックパッキング」 のようなものです。
車に荷物をぎっしり積み込む代わりに、必要な荷物などを自転車や自分の身体に取り付けて、好きな国をペダルを漕ぎながら旅していくスタイルです。

ジョージアが言うには、バイクパッキングは
「自由な旅なんです。」

「その日の終わりにどこに着くのかも分からないことが多いんですけど、長旅に必要なものは全部自分で持っているから大丈夫なんです。」

また新しいフィットネスブームってこと?


実は、全くの正反対なんです。バイクパッキングは、デジタル時代に入って注目度が急上昇しているものの、その始まりは1800年代 にまで遡ります!
当時は馬を買うのが高額だったため、自転車に荷物を積んで新しい土地へと移動することが一般的に行われていました。


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そこから年々少しずつ広がっていき、いまでは世界中で人気が高まっています。日本でも例外ではなく、国内で最も活発なバイクパッキング系Facebookグループ2つだけでも、合計で25,000人以上のメンバー が参加しているほど。需要が急速に伸びているのです。

なぜ今2025年に多くの人がバイクパッキングが最高の選択肢だと考えているのか?


王道ルートだけじゃない、日本の楽しみ方


「日本のことなら''よく''知ってるよ。去年、東京・大阪・京都を10日間で回ったからね。」

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こんな言葉、耳にしたことありませんか?実際、日本を訪れる観光客の多くは、アルプス地域を除けばこの3都市に集中し、それだけで「日本を制覇した」と思い込みがちです。でも、日本はゲームのように数日で“クリア”できるものではありませんよね?

47都道府県それぞれに独自の魅力があり、

ハワイに匹敵する美しい離島だったり、深いジャングルのような森、息をのむような壮大な山々、そして雪が海岸にまで届くような景色まで……。まさに四季を問わず楽しむことができる魔法のような国。

バイクパッキングなら、その土地のリアルな一面を体感できます。ガイドブックに載らない地元のレストランや、偶然出会うスポット。言葉の通り「自分の足で漕ぎながら」発見することができるのです。


コストパフォーマンス

旅の内容を充実させようとすればするほど、交通費はかさみます。電車や国内線、レンタカーやフェリーー。でも、自転車なら圧倒的にコストを抑えつつ、日本のすみずみまで余すところなく行くことができます。


もちろん、フィットネス

日本は決して世界で一番大きな国ではありませんが、だからといって“すぐに端から端まで行ける”わけではありません。

北から南までを直線距離で測ると、実に約3,000km。日本はでっかいどー!
想像してみてください。数週間から数か月、自転車に乗って走り切るその道のり。旅が終わる頃には、脚力も心肺機能も見違えるほど鍛えられているはずです。


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コミュニティー

先程お伝えしたように、バイクパッキングはただのフィットネスのトレンドではありません。いつも誰かしらがあなたと同じような計画をどこかで立てているんです。そんな方々と繋がって、数Km一緒に走ったり、何が起こるかなんて、想像できませんよね!


本当の意味での自由な旅

旅行中に電車の窓から外を眺めて、「この町、面白そう。今度来てみたいな」そう思ったことそして地図にピンを刺したり、きっと誰にでもありますよね。でも実際には、スケジュールや移動手段の都合で立ち寄れず、そのまま通り過ぎてしまうことがほとんど。

一方でバイクパッキングなら、そんな心残りはありません。気になる町を見つけたら、すぐに止まって見ることができる。気に入れば一泊してもいいし、満足したらまたペダルを漕ぎ出せばいい。


好きな場所に好きなだけ滞在できる。

これこそが“本当の旅”と言えるのではないでしょうか。


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 Georgiaの実体験からみたバイクバイキングの魅力


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大きなリュックと Merida 200 のグラベルバイクを携えて日本に降り立ったとき、Georgia Styles(ジョージア・スタイルズ)@george_goes_bikepacking にとってバイクパッキングは決して新しい挑戦ではありませんでした。これまでにヨーロッパ27カ国を走破してきた彼女ですが、日本での体験はすぐに特別なものだと感じたのです。

雄大で多様な景観、地域ごとの文化的な魅力、ローカルの食べ物、そして地域全体から伝わってくるコミュニティの温かさ。すべてに魅了され、「短期滞在のつもり」が気づけば 2年半以上 の暮らしに変わっていました。


彼女を虜にしたものとは!?

自由気ままに日本を探検できる自由さでした。とは言っても、少しの準備は必要でした。

本当に“自由な旅”なんです。行き先はだいたい出発前日に決めるんですけど、国によって事情は違います。特に日本は週末の宿泊先がすぐに埋まってしまうので、キャンプ場を使うのがいちばん楽ですね。」 


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長距離の運動は大好きだけど、やっぱり旅をするならちょっとは贅沢をしたいあなた、バイクパッキングは必ずしもキャンプになるとは限りません。彼女の旅の状況を聞いてみると、

「宿泊の7割くらいはゲストハウスや旅館などの安宿に泊まっていました。キャンプをしたのは全体で1〜2か月くらいだと思います。」

と教えてくれています。キャンプは景色の良い場所や混み合うエリアを訪れるときの選択肢。旅費を抑えつつ、日本の田舎を深く味わえる方法でもありました。

その結果、彼女は 日本47都道府県のうち42県 を制覇(未踏の地は島根・鳥取・山口・和歌山・沖縄のみ)。まさに「探検」という言葉がふさわしい旅を続けてくれています。


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「キャンプをたくさん取り入れて、自分の力で移動したから、かなり節約になったと思います。」

「食材はだいたい1日3000円くらいでした。たくさんのエナジーを1日で使うので、栄養をたくさん摂らなければいけなかったので。他にかかるのは年に2〜3回の自転車のトラブル程度です。」

ただ、彼女の旅は“自転車漬け”の日々ばかりではありませんでした。

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「ちゃんと休憩はしてましたよ!」と彼女は笑って話してくれました。

「富良野にある鉄板焼き屋さんの上で数ヶ月住まわせてもらったこともありました。

「その出来事はとっても今でもいい思い出になってます。」

秋に富良野を自転車で通った際、たまたま入った飲食店で店主と意気投合。「戻ってきたら住む場所を提供するよ、その代わりに毎日数時間手伝ってね」と冗談交じりに言われたのを真に受けて本当に戻ったら、店主は「誰だっけ?」と驚いたそうです。それでも話がまとまり、しばらく“鉄板焼き屋の住人”として生活することに。

この経験を通じて、ジョージアはリズム富良野のクルーともつながりを持ちました。


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現在、日本に来てからまもなく3年。リズム・ヒラフとリズム・セツでの勤務も1年半を超え、ジョージアにとって日本は間違いなく最も思い出深いバイクパッキングの舞台のひとつとなりました。梅酒を酌み交わす地元の人々との夜、手作りおにぎりの伝統を教えてもらった夕食会、キャンプ中に声をかけてくれる温かい出会い…。

もちろん、本人曰く「危うく仏教系の新興宗教に勧誘されそうになったこともある」そうですが、それはまた別の機会に(笑)。

Georgia(ジョージア)のバイクパッキングの必需品とは


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  • パンク修理キット

  • 予備チューブ

  • コンパクトなキャンプ用ストーブ

  • コーヒー/ティーポット(旅先の朝はこれが最高!)

  • 日焼け止め

  • お尻用クリーム(長時間ライドの必需品)

  • レインウェア

  • 1日分の食料

  • モバイルバッテリー

  • そしてもちろん、自転車!

Georgia(ジョージア)の日本でのバイクパッキングをするためのヒント


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  • 言葉は力になる
    「出発の3〜4か月前はできるだけ日本語を勉強しました。覚えたことは全部使ったけど、それでももっと勉強しておけば良かったなと思いました。」

  • 小さく始めること
    最初から完璧に計画しなくても大丈夫。予定外のことや思いがけない体験に出会えるのもバイクパッキングの魅力。

  • バイクショップをチェック
    走るルート上にある自転車屋さんを事前に調べておくと安心。いつトラブルが起きても助けてもらえます。

  • トラブルは旅の一部
    「最初は不安に思うけど、だんだん慣れてくるんです。何かがうまくいかなくても、必ず助けてくれる人や解決方法が見つかる。むしろ、それも含めて楽しみの一部です。」

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